統一特許裁判所と
欧州単一効特許
実務者ハンドブック
欧州特許法は、1973年に欧州特許庁が設立されてから、最も大きな変化を現在遂げつつあります。統一特許裁判所については10年前に立法的な基盤が確立されましたが、その後、すべての法的論争やその他の障害を克服し、ついにその設立に至りました。同裁判所は、当初から参加している17のEU加盟国に代わり、2023年初頭以降、特許紛争を審理するための最終的な準備を進めています。統一特許裁判所がスタートすれば、欧州特許庁は、新しく付与される欧州特許をこれら17カ国で単一効力を持つものとして登録することができます。
この複雑な新制度が生み出す課題と機会について、より深く理解することを目指す実務家の皆さまのために、この度、2014年に「EU特許パッケージハンドブック」として出版された実務家向けガイドの第二版を出版することになりました。
本書は、新制度の有効活用に向けて、体系的かつ簡潔に概要を知りたい方を対象としています。第一版の内容を更新し拡充した概要(パートA)と詳細なガイド(パートC)の他に、権利化・オプトアウト・権利行使に関する戦略的考察の章(パートB)を新たに追加しました。
また、次のような課題に直面している国際的な特許業界において、より根本的な理解を促進することを目的としています。
- 欧州特許を欧州単一効特許として登録するべきか、それとも国内での有効化を維持すべきか?
- 統一特許裁判所によるリスクを軽減し、機会を活用するために、どのように特許ポートフォリオを戦略的に構築すればよいか?
- オプトアウト、欧州特許庁での分割出願、国内特許出願などの手段は、どのように役立てることができるか?
- 欧州特許の権利行使や無効化は、各国裁判所と統一特許裁判所のどちらで行うべきか?
- 一般的に、欧州で訴訟を起こす場合、いつ、どこで行うべきか?